
役に立たない銅版画
#2 銅版画の作り方
2021年4月30日
初めて銅版画をみた方は、鉛筆でもない、ペンでもない、筆でもない質感を不思議に感じると思います。銅版画というのは、薄い銅の板を傷つけたり溶かしたりしてできた凸凹にインクを詰めてプレス機で圧を加えて紙にうつしたものです。なにを言ってるのか、わけ分からないですよね。言葉で伝えるのは難しいので、制作を一緒にやっていきましょう。でも、これを読んだらあなたも銅版画が出来るようになりますよ!というものではないので、もし、万が一、やってみたくなったら初心者向けのワークショップを探してみてください。そしてここで書くのはあくまで”私の場合”です。銅版画を知っている方には退屈だったり、間違ってるぞってなるかもしれないですが、気にしないようにします。
では制作をはじめます。
①下絵を描く
モチーフを決め、どのくらいのサイズの作品にするかを考えながら下絵を描きます。
私はいつもiPhoneのカメラロールを眺めながら、なにか気になったものを描くことが多いです。なので作品のほとんどが実際に実在する(した)もので、それぞれに超個人的エピソードがあります。日常のスケッチみたいな作品群です。

今回のモチーフは、友人の家にいるコザクラインコの〈さくらちゃん〉です。ストレートで良いネーミングは友人のお母様によるもの。ペットの名前を研究してる人がいたらおもしろいなあ、動物病院のカルテはカオスだろうなあ、といつも思ってます。
②銅板を切る
画材屋やホームセンターで売っている銅の板を加工して「版」を作ります。

③描く
銅の板に傷をつけて絵を描いていきます。
傷の所が最終的に色がついて絵になります。傷をつける方法は沢山ありますが、ここではドライポイントとエッチングという技法を使います。
【ドライポイント】
ニードル、カッター、ルーレットなど使って銅板に直接傷をつける
↓ルーレット(ピザを切るやつみたいな道具)

【エッチング】
銅板を危険な溶剤につけて溶かす
1.表面に膜をつくる
(ドロドロの茶色い液体で表面を覆う)

2.乾いたらニードルで膜を剥がすように絵を描く

3.危険な溶剤につける (膜が剥がれている箇所が溶ける)

4.洗う
5.描いたところが凹んでる!

④刷り
版にインクをのせて紙に刷る事で、描いた絵を見ることが出来ます。
1.銅の板にインクを詰める

2.凸面に残った余分なインクを拭く

3.プレス機にのせて、紙を上からセットする

4.プレス機で圧をかける